ビフィズス菌を介した生後早期の免疫系のインプリンティング

Bifidobacteria-mediated immune system imprinting early in life

生後早期の免疫-微生物相互作用は、アレルギー、喘息、およびその他の炎症性疾患のリスクに影響する。母乳育児は、宿主の免疫系に寄与する特殊な微生物に栄養を与えることで、免疫と微生物の関係をより健全なものにするよう導いている。このような細菌はヒトと共進化してきたが、現代社会ではますます希少になっている。我々は、ビフィズス菌の不足、特にヒトミルクオリゴ糖(HMO)利用に必要な遺伝子のメタゲノムからの枯渇が、生後早期の全身性炎症および免疫調節障害と関連していることを明らかにした。すべてのHMO利用遺伝子を発現するBifidobacterium infantis EVC001を母乳栄養児に与えたところ、腸内Th2およびTh17サイトカインは不活化され、インターフェロンβ(IFNβ)が誘導された。EVC001株を投与した乳児の糞便水にはインドール乳酸が豊富に含まれており、B. infantis由来のインドール-3-乳酸(ILA)は、Th2およびTh17細胞の極性化の際に免疫調節性のガレクチン-1を上昇させており、生後1ヶ月間の有益微生物と免疫調節の間に機能的関連性があることが示された。

 

著者名

Bethany M Henrick, Lucie Rodriguez, Tadepally Lakshmikanth, Christian Pou, Ewa Henckel, Aron Arzoomand, Axel Olin, Jun Wang, Jaromir Mikes, Ziyang Tan, Yang Chen, Amy M Ehrlich, Anna Karin Bernhardsson, Constantin Habimana Mugabo, Ylva Ambrosiani, Anna Gustafsson, Stephanie Chew, Heather K Brown, Johann Prambs, Kajsa Bohlin, Ryan D Mitchell, Mark A Underwood, Jennifer T Smilowitz, J Bruce German, Steven A Frese, Petter Brodin

文献名

Cell. 2021 Jul 22;184(15):3884-3898.e11.

URL

https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(21)00660-7

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