レビー小体型認知症における腸内細菌叢

Gut microbiota in dementia with Lewy bodies

レビー小体型認知症(DLB)28人、パーキンソン病(PD)224人、特発性急速眼球運動睡眠行動障害(iRBD)26人から成るαシヌクレイン症患者278人の腸内細菌叢と糞便胆汁酸を分析した。その結果、PD患者と同様に、DLB患者では短鎖脂肪酸産生菌属が減少していた。また、DLB患者ではRuminococcus torquesとCollinsellaが増加していたが、PD患者では変化が認められなかった。DLB患者とPD患者を区別するランダムフォレストモデルでは、腸管透過性を高めると考えられているRuminococcus torquesとCollinsellaの高値、およびアルツハイマー病でも観察されるBifidobacteriumの低値はDLBの発症リスクを予測できる可能性が示された。Ruminococcus torquesとCollinsellaは主要な二次胆汁酸産生菌でもあることから、糞便中の胆汁酸を定量したところ、DLB患者ではウルソデオキシコール酸(UDCA)の産生が高いことが分かった。DLB患者におけるUDCAの増加は、黒質での神経炎症を緩和する可能性がある一方で、大脳新皮質では神経炎症は重要でない可能性がある。ビフィズス菌とその代謝物を増加させる治療的介入は、DLBの発症と進行を遅らせる可能性がある。

 

著者名

Nishiwaki H, Ueyama J, Kashihara K, Ito M, Hamaguchi T, Maeda T, Tsuboi Y, Katsuno M, Hirayama M, Ohno K.

文献名

NPJ Parkinsons Dis. 2022 Dec 9;8(1):169.

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36145125/

見積もり依頼はこちら