表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)とCutibacterium acnes;皮膚微生物叢の2大警備兵と化粧品の影響

Staphylococcus epidermidis and Cutibacterium acnes: Two Major Sentinels of Skin Microbiota and the Influence of Cosmetics

皮膚の生態系の健康や異臭に皮膚微生物群が関与していることから、近年、皮膚科学や化粧品分野では、ヒトの皮膚マイクロバイオームやマイクロバイオータに注目するようになってきている。皮膚微生物の中でも、皮膚微生物群の警備兵として登場するのが、皮膚微生物群の常在菌であるStaphylococcus epidermidisとCutibacterium acnesである。これらの警備兵は、病原菌との戦いによって皮膚微生物叢の不均衡を保護・予防し、有益な細菌代謝物の産生を通じて皮膚の恒常性維持に関与するため、皮膚生態系において重要な役割を果たしている。これらの細菌は、皮膚の微小環境の変化に適応し、バイオフィルムを形成する日和見病原体に移行することができるため、ニキビやアトピー性皮膚炎などの一般的な皮膚疾患に関与している。この2つの警備兵をターゲットとした化粧品有効成分開発のための現在の評価方法について、その特徴と限界について議論した。これらの目的が明らかになった後、これらの共生代謝を維持・促進する、あるいは病原性を低減する化粧品有効成分と製品の研究は、適応評価法の絶え間ない開発と相まって、スキンケア産業の新たな課題となっている。

 

著者名

Mathilde Fournière, Thomas Latire, Djouhar Souak, Marc G J Feuilloley, Gilles Bedoux

文献名

Microorganisms. 2020 Nov 7;8(11):1752.

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32567509/ 

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