医療従事者の手の衛生処置による皮膚損傷に関連した手のマイクロバイオータの変化

Changes in hands microbiota associated with skin damage because of hand hygiene procedures on the health care workers

【研究の背景】本研究の目的は、医療従事者の健康な手(n=30)と手荒れした手(n=30)を対象に、頻繁な手洗いや手袋着用による微生物フローラの評価を行った。

【方法】無菌ポリエチレンバッグ法により、非抗菌性石鹸を用いた手洗い前後の手の培養を行った。

【結果】 手荒れした手の菌数は健康な手に比べて多く、手荒れした手は黄色ブドウ球菌が16.7%対10%、グラム陰性菌が20%対6.7%、酵母が26.7%対20%と、これらの微生物の合計値と同様に高い頻度で存在した。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus haemolyticus)は、手荒れした医療従事者にのみ認められ(P = 0.02)、エンテロコッカス属はどのボランティアの手からも回収されなかった。また、抗菌薬耐性黄色ブドウ球菌およびグラム陰性菌の割合は手荒れした手の中でも大きかった。

【結論】頻繁な手洗いや手袋の着用による皮膚への刺激は、手の微生物叢の変化と関連しており、施設や利用者が手の皮膚の健康を保証するために製品や製剤を選択する際には、その潜在的なリスクを考慮すべきである。

 

著者名

Lílian Alves Rocha 1 , Lizandra Ferreira de Almeida E Borges, Paulo Pinto Gontijo Filho

文献名

Am J Infect Control. 2009 Mar;37(2):155-9.

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32567509/ 

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