エフェクターCAR-T細胞由来CARエキソソームは、強力な抗腫瘍効果と低毒性を有する

CAR exosomes derived from effector CAR-T cells have potent antitumour effects and low toxicity

キメラ抗原受容体(CAR)を発現する遺伝子組み換えT細胞は、血液腫瘍および固形腫瘍に対する有望で新しい治療法として注目されている。CAR-T療法は、迅速かつ持続的な臨床反応を誘導することができるが、特有の急性毒性が生じる。さらに、CAR-T細胞は免疫抑制機構に対して脆弱である。本研究では、CAR-T細胞が細胞外小胞を放出することを報告しており、その細胞外小胞の表面にはCARが発現するエクソソームの形状であることを見出した。CAR発現エクソソームは、高レベルの細胞傷害性分子を含有し、腫瘍の増殖を抑制した。CAR-T細胞と比較して、CARエクソソームはProgrammed cell death 1PD-1)を発現しておらず、組換えProgrammed death-ligand 1 PD-L1)による抗腫瘍効果を弱めることはなかった。サイトカイン放出症候群のin vivoモデルにおいて、CARエクソソームの投与はCAR-T療法と比較して安全性が高かった。本研究は、腫瘍に対する有効な治療法にBiomimetic nanovesiclesとしてのエクソソームの応用についての洞察を提供している。

※H.U.グループ中央研究所では、Exosome研究にも注力し活動しています。詳しくは弊社HPをご覧ください。

https://www.hugp.com/research/exosome_JA.html

著者名

Wenyan Fu, Changhai Lei, Shuowu Liu, Yingshu Cui, Chuqi Wang, Kewen Qian, Tian Li,Yafeng Shen, Xiaoyan Fan, Fangxing Lin, Min Ding, Mingzhu Pan, Xuting Ye, Yongji Yang & Shi Hu.

文献名

Nature Communications volume 10, Article number: 4355 (2019)

URL

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6761190/pdf/41467_2019_Article_12321.pdf

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