過体重・肥満者を対象とした地中海式食事療法の介入は、血漿コレステロールを低下させ、食事量とは関係なく腸内 マイクロバイオーム と メタボローム の変化を引き起こす

Mediterranean diet intervention in overweight and obese subjects lowers plasma cholesterol and causes changes in the gut microbiome and metabolome independently of energy intake.

代謝性疾患の生活習慣リスク因子を有する被験者を対象に、地中海食（MD）が代謝性健康、腸内マイクロバイオーム、全身のメタボロームに及ぼす影響を検討した。習慣的に果物や野菜の摂取量が少なく、運動量の少ない健康的な過体重・肥満者82名を対象に、8週間の比較試験を実施した。43人の参加者は普段の食事量（MedD）に合わせたMDを摂取し、39人は普段の食生活（ConD）を維持した。結果、MedD群では、ConD群と比較して血漿コレステロールと糞便中胆汁酸が有意に減少した。また、試験中にMD摂取と関連して全身の炎症を減少させた参加者では、腸内マイクロバイオームの遺伝子の豊富さが増加した。MD摂取により、食物繊維を分解するFaecalibacterium prausnitziiが増加し、酪酸代謝に関わる炭水化物分解酵素の遺伝子レベルが増加した。MedD群の食生活の変化は、尿中ウロリスチンの増加、糞便性胆汁酸分解、および特定の微生物の変化と共にインスリン感受性の増加につながった。

 

著者名	Meslier, Victoria & Laiola, Manolo & Roager, Henrik & De Filippis, Francesca & Roume, Hugo & Quinquis, Benoit & Giacco, Rosalba & Mennella, Ilario & Ferracane, Rosalia & Pons, Nicolas & Pasolli, Edoardo & Rivellese, Angela & Dragsted, Lars & Vitaglione, Paola & Ehrlich, Stanislav & Ercolini, Danilo.
文献名	Gut. 2020 Feb 19;gutjnl-2019-320438.
URL	https://gut.bmj.com/content/early/2020/02/18/gutjnl-2019-320438.abstract