調理は腸内細菌叢の構成と機能を形作る

Cooking shapes the structure and function of the gut microbiome.

 食事は腸内細菌叢の構成と機能の変化を決定する重要な因子であり、宿主の遺伝型をも凌駕している。多くのマイクロバイオーム研究では多様な食材の食事を比較しているが、日常的に行われている調理については十分に研究されていない。この研究では、生食と調理済みの植物食がマウスの腸内細菌叢を変化させ、デンプンの消化率と植物由来化合物の改善に対する効果があることを示している。腸内細菌叢の変化は宿主のエネルギー状態を調節し、複数のデンプンが豊富な植物にも適用され、ヒトでも検出可能であった。したがって、食事によって主導される宿主-微生物の相互作用は食事そのものだけではなくその形態にも依存している。調理は人間特有のものであり、普遍的で古来からのものであるため、今回の結果は人間と細菌叢が調理に関連した独特の圧力下で共進化したという仮説を示唆している。

 

著者名

Rachel N. Carmody, Jordan E. Bisanz, Benjamin P. Bowen, Corinne F. Maurice,Svetlana Lyalina, Katherine B. Louie, Daniel Treen, Katia S. Chadaideh, Vayu Maini Rekdal, Elizabeth N. Bess, Peter Spanogiannopoulos, Qi Yan Ang, Kylynda C. Bauer, Thomas W. Balon, Katherine S. Pollard, Trent R. Northen, Peter J. Turnbaugh

文献名

Nature Microbiology volume 4, pages2052–2063(2019).

URL

https://www.nature.com/articles/s41564-019-0569-4

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