大腸癌患者由来の糞便・腸内細菌叢は腸管腺腫の進展を促進する

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Gut microbiota from colorectal cancer patients enhances the progression of intestinal adenoma in Apcmin/+ mice.

 CRCの90%以上は腺腫から発生するため、腸腺腫の進行における腸内細菌の乱れの重要な役割を調べることを目的とした。CRC患者糞便を投与されたApcmin / +マウスは、健康ヒトからの糞便またはPBSを投与されたマウスと比較して、腸内の腫瘍が多かった。 CRC患者糞便の投与は、腫瘍細胞の腫瘍増殖、アポトーシスの減少、腸バリア機能の障害を誘導し、炎症性サイトカインプロファイルも上昇していた。 β-カテニンとサイクリンD1の発現が亢進していることから、Wntシグナル伝達経路の活性化が示された。 病原性細菌の存在量はFMT後に増加した一方で、SCFAの産生菌とSCFAの産生は減少した。これらのことから、CRC患者の腸内細菌叢は腸管バリアを破壊し、低悪性度の炎症とディスバイオシスを誘導することがわかった。 CRC患者の腸内細菌叢がApcmin / +マウスの腸腺腫の進展を促進したことから、CRCに対して腸内細菌叢を標的とする新しい治療ができることを示唆された。

著者名

Li L, Li X, Zhong W, Yang M, Xu M, Sun Y, Ma J, Liu T, Song X, Dong W, Liu X, Chen Y, Liu Y, Abla Z, Liu W, Wang B, Jiang K, Cao H.

文献名

EBioMedicine. 2019 Oct 5. pii: S2352-3964(19)30625-5.

URL

https://www.ebiomedicine.com/article/S2352-3964(19)30625-5/fulltext

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