腸内細菌叢の多様性はヒトの睡眠生理と関連している。
Gut microbiome diversity is associated with sleep physiology in humans .
ヒトの腸内細菌叢は、脳-腸-細菌叢相関を通じて健康に影響を与えることが示唆されている。このことは各種エビデンスにより示されてきているが、睡眠生理と腸内細菌叢との明確な関係は不明である。そこで腸内細菌叢と睡眠測定を定量化するアクティグラフィーを組み合わせた検討を行い、菌叢が睡眠生理のさまざまな測定値との相関を調べた。また、免疫系バイオマーカーを測定し、神経行動学的評価を行った。細菌叢の多様性は睡眠効率と総睡眠時間の増加と正の相関、睡眠開始後の覚醒と負の相関があることが認められた。また、細菌叢の多様性とインターロイキン-6との間に正の相関関係があった。細菌叢組成の分析により、バクテロイデス門とフィルミクテス門のリッチネスが、睡眠効率、インターロイキン-6濃度、抽象的思考と正の相関があることが明らかになった。一方で、Lachnospiraceae、Corynebacterium、およびBlautiaといった菌が睡眠測定値と負の相関関係にあることがわかった。腸内細菌叢組成、睡眠生理、免疫系、認知の間の関連を明らかにすることで、腸内細菌叢を操作し睡眠を改善するメカニズムにつながる可能性がある。
著者名 |
Robert P. Smith, Cole Easson, Sarah M. Lyle, Ritishka Kapoor, Chase P. Donnelly, Eileen J. Davidson, Esha Parikh, Jose V. Lopez, Jaime L. Tartar. |
文献名 |
PLoS One. 2019 Oct 7;14(10):e0222394. |
URL |