高品質プロテインポップコーンのユニークな種子タンパク質組成が有益なヒト腸内細菌群の増殖を促進する

The Unique Seed Protein Composition of Quality Protein Popcorn Promotes Growth of Beneficial Bacteria From the Human Gut Microbiome

食物繊維、複合糖質、脂質、および食品マトリックス由来の低分子がヒトの腸内細菌叢に及ぼす影響に関する研究が進んでいる。しかし、食事性タンパク質が腸内細菌群集の構成と機能にどのように影響するかについてはあまり知られていない。本研究では、従来のポップコーンとクオリティ・プロテイン・ポップコーン(QPP)とほぼ同種のトウモロコシ系統を用いて、opaque-2変異によるクオリティ・プロテイン改変物質がヒト腸内細菌叢に及ぼす影響を調査した。Opaque-2変異はトウモロコシの主要な種子タンパク質(α-ゼイン)の合成を阻害し、結果として必須アミノ酸であるリジンとトリプトファンを大量に含んだ栄養的に有益な種子タンパク質が合成される。親系統とQPPハイブリッドのin vitro発酵において、QPP系統はヒト腸内細菌による酪酸産生をより促進させた。QPP系統と親株のポップコーン発酵時のヒト腸内マイクロバイオームでは、酪酸を産生するLachnospiraceae科やCoprococcus属、Roseburia属の細菌が増加した。さらに、リジンリッチな種子タンパク質が、微生物の増殖と酪酸産生を異なる経路により促進されていることを証明するために分子相補性を検討した。その結果、Coprococcus属はリジンを利用し、Roseburia属などはポップコーンの熱処理(ポッピング)の際に生じるフルクトセリシンを利用することが明らかとなった。したがって、QPPの種子組成と熱処理中のタンパク質付加物、炭水化物の相互作用の組み合わせは、複数の経路を通じてヒト腸内マイクロバイオームにおいて健康を増進する酪酸産生生物の増殖を促進する。

 

著者名

Korth N, Parsons L, Van Haute MJ, Yang Q, Hurst P, Schnable JC, Holding DR, Benson AK.

文献名

Front Microbiol. 2022 Jul 14;13:921456

URL

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35910657/

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