細菌叢療法は制御性T細胞においてMyD88/RORγt経路により食物アレルギーを抑制する

Microbiota therapy acts via a regulatory T cell MyD88/RORγt pathway to suppress food allergy

 本研究では、dysbiosisが生じている食物アレルギー(FA)の小児の糞便のマイクロバイ―タは、マウスモデルのFAを防ぐことができないことを発見した。このFAの小児やマウスではIgAの減少とIgEの増加が見られ、経口免疫寛容の大幅な低下が起こっていることが示された。FAマウスに単剤または複数の菌の混合物としてSubdoligranulum variabileを投与すると、免疫調整性のBacteroidales種の混合物を与えた時と同様にFAが抑制された。この細菌療法によって制御性T細胞(Treg)においてMyD88依存的にROR-γtの発現を誘導された。その効果はFAの小児とマウスにおいて欠損しており、それらの糞便マイクロバイオータでは同じ効果を誘導できなかった。さらにTregにおけるMyD88またはRorcの欠損は細菌製剤の予防効果を失わせた。したがって、腸内細菌はTregにおけるMyD88/ROR-γt経路を活性化することによってFAを防いでいるが、逆にdysbiosisによってこの制御反応が障害を受けることによりFAを促進することが示された。

著者名

Abdel-Gadir A, Stephen-Victor E, Gerber GK, Noval Rivas M, Wang S, Harb H, Wang L, Li N, Crestani E, Spielman S, Secor W, Biehl H, Dibendetto N, Dong X, Umetsu DT, Bry L, Rachid R, Chatila TA.

文献名

Nat Med. 2019 Jun 24.

URL

https://www.nature.com/articles/s41591-019-0461-z

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